鉄分不足対策:女性の四人に一人が鉄分不足ということは、話題にものぼりやすいということですね。
「低血圧なので学校の全校集会で鉄分不足おこして倒れたことがある」
そういう人いませんか?もしくはあなた自身が?
集会の前に遅刻しそうになって走ってきたとか、その他いろんな条件がわからないから一言では言えないけれど、それ、多分「鉄分不足」ではないです。
あと、鉄分不足=低血圧という考えが割と一般的で、「高血圧よりはいいよね」なんていう声も。
鉄分不足=低血圧は正しいのでしょうか?そもそも血圧は低いほうがいいの??
血圧というのは血管壁にかかる内圧のこと。高血圧は「圧が高く」、低血圧は「圧が低い」。
つまり血液中の酸素が足りない状態の「鉄分不足」とは関係がないと言っていいでしょう。
擦りむいたり、まちがって切ってしまったり。
私たちは血液を目にすることはあっても、実は血液自体のことをあまり知りません。

鉄分不足対策:血液の成分は何?
身体全体に占める血液の割合は、体重のおよそ13分の1と言われています。体重65キログラムの人なら血液の量は5キログラム、約5リットリということになります。血液は
- 赤血球
- 白血球
- 血小板
の3つの有形成分と血漿(けっしょう)と呼ばれる液体成分からできています。
血液を試験管に入れ、凝固しない薬品を入れて放置すると二層に分かれます。上の層が血漿(全体の55%)、下の層が血球からなる有形成分(全体の45%)です。
血球の中でも鉄分不足に関わってくるのが赤血球。
赤い色素を持つ「ヘモグロビン」が酸素を身体中に運ぶ役目をしています。
その他白血球は細菌やウイルスから身体を守る免疫的な役割を持ち、血小板は血管の損傷によって障子る出血を止める役割があります。
多少のケガならそのうち出血が止まるのは血小板のおかげです。

鉄分不足対策:血液(赤血球)を作る、ということ
身体の中で血液がつくられることを「造血」といいます。
お腹の中にいる頃(妊娠約3週目頃)から造血は始まります。
その頃、卵黄嚢(らんおうのう)で作られる「血島(けっとう)」細胞の集団が周囲の細胞と結合して「血管」を作ります。血島の中にはのちの赤血球・白血球・血小板のすべての細胞になる機能持った細胞があります。
その後、造血は胎児三ヶ月目くらいから肝臓や脾臓で、5ヶ月頃からは骨髄で行われ、生まれた以降は骨髄でのみ行われます。
赤血球・白血球・血小板には寿命があります。
ということは血球の量が一定であるためには、骨髄は造血を続けなければなりません。
鉄分不足に関する重要な赤血球の寿命は120日。
そのあとは脾臓で破壊荒れて死んでしまいます。
つまり毎日「120分の1」の赤血球は入れ替わっています。
毎日栄養を、鉄分を取らなければならない理由はそこにあります。

鉄分不足対策:赤血球(ヘモグロビン)のはたらき
赤血球の役目は全身に酸素を送ること。その役割を果たしているのがヘモグロビンです。
ヘモグロビンはヘムという鉄を含んだ赤い色素部分とたんぱく質(アミノ酸)のグロビンがなる複合たんぱく質です。
ヘモグロビンは効率よく酸素と結合することができるスグレモノ。
動脈に乗って酸素を運び、身体の組織内で酸素を放出、使用済みの二酸化炭素を回収して静脈に乗り、肺へと戻ります。
私たちは漠然と
酸素を吸って、二酸化炭素をはいている
と表血ますが、すのすべては赤血球の仕事なのです。
最近は病院で簡単に血液の酸素濃度を測ることができます。
一度酸素濃度を測ってみるのもオススメです。
そしてその時に、毎日作られ、働いている「赤血球」について少し、考えてみてもいいかもしれません。

毎日作られる赤血球に、十分な鉄分を与えることが鉄分不足対策には絶対必要なことです。