夏バテと間違える鉄分不足症状【疲れが取れない】
夏バテは夏の暑い盛りにやって来ると思われていますが、体に変調が起きるのは暑さの落ち着いた秋以降なのです。
- 疲れがなかなか取れない
- 体がだるい
- 朝が起きれない
- 倦怠感がある
これらは「夏バテ」だと自分で判断してしまいがちですが、原因は「鉄分不足」かも?
鉄分不足の症状は
- 色が真っ白
- めまいがして倒れる
などが一般的なイメージですが、体からなかなか抜けない疲れも鉄分不足の症状の場合があります。
鉄分の不足による鉄分不足を「鉄欠乏性鉄分不足」と呼びます。
鉄分不足の中でも一番多いもので、患者数は500万人以上とも言われています。

鉄分不足だとなぜ疲れる?【酸素供給量が減るから】
鉄欠乏性鉄分不足は、その名の通り鉄分不足によって起こる鉄分不足です。
夏の間はつい、さっぱりしたものを食べてしまいがち。鉄分の補給がおろそかになっています。
鉄分の補給が不足すると酸素を身体中に運ぶヘモグロビンを作れなくなります。
赤血球含まれるヘモグロビンの量が減り、運べる酸素が減ってしまい身体中が酸欠になってしまいます。
酸素供給量が不足するどうなるのでしょうか?
脳や心臓、筋肉など身体の全ての器官は酸素を必要としています。特に脳では全酸素供給量の20~25%を消費しています。
酸素が不足すると脳を始め多くの器官、細胞の活動が低下するので
- 疲労感
- 倦怠感
- 眠気
- 無気力
- 集中力低下
といった疲労症状が現れます。
高山病と呼ばれるものも同じく酸欠が原因です。
高地では酸素が薄く、肺に取り込む量が少なくなり、その結果体が欲する酸素量を取り込めなくなる。
鉄分不足は「街中での高山病」と言えるかもしれません。

鉄分不足だとなぜ疲れる?【体の負担が増えるから】
鉄欠乏性鉄分不足で酸素の供給量が減るとどうなるのでしょう?
肺は多くの酸素を取り込もうとして、補給が荒くなる
血液級のヘモグロビンが足りないので、体に酸素が運べない。
その理由はわかっていても、肺は「もっと酸素を取り込め!」という指令を受け、まるで運動した後のように呼吸を荒げてしまいます。その結果肉体的にも疲れを生じます。少し走っただけでも「ハアハア」言ってしまう時、疑うべきは運動不足よりも鉄分不足です。
心臓は多くの酸素を送ろうと、鼓動を早くする
身体中から「酸素が足りない」という指令がきて、心臓は少しでも多くの血液を送るために鼓動を早くします。駅の階段を登っただけで動悸がする、なんていうのはまさに鉄分不足状態です。
女性には「生理」も大問題。
経血には赤血球が含まれるため、出血はそのままヘモグロビン量を減らすことを意味します。
WHO(世界保健機関)によると、日本女性の1/4が慢性的な鉄分不足状態であると言われており、 その原因は鉄分不足が最も多くなっています。

夏バテと間違える鉄分不足症状【なぜ?少し遅れて鉄分不足はくるの?】
赤血球の寿命はおおよそ120日。
寿命が終わると赤血球は廃棄され、鉄分は再利用されます。
そのため、鉄分不足がしばらく続いても鉄欠乏性鉄分不足にはなりません。
しかも、私たちの体の中には「貯蔵鉄」というものがあり、いざという時のために普段から少しずつ鉄をためています。
- 貯金
- リサイクル品
この二つで最初はなんとかやりくりしていきます。逆に言うと、「鉄分不足症状が出てしまったら、改善までにはしばらくかかる」という事です。
鉄分を摂り始めても、貯蔵鉄がきちんとたまるまで(元の体に戻るまで)は時間がかかります。
鉄は吸収率が低いし、吸収されなかったものは便となって排出されてしまいます。
鉄分不足改善に近道はありません。
毎日毎日、必要な量の鉄をきちんと摂れる食品を選び、続ける事が大切です。

